2019/07/01
講習会

【操体法定期セミナーレポート6月】肩関節のバランスと上部胸椎のバランスの関係をさぐる

月一セミナー(日曜日開催)
1回ごとの申し込み、単発参加、連続参加 可能です。

臨床家向けとうたっていますが、参加条件として、特に資格の有無等は問いません。
からだについて興味があり、操体法を通じてもっといろいろ知りたい、体験したい方、向けに行っています。
もちろん、現在のお仕事や将来に生かすため、スキルアップを目指している方も大歓迎です。

感覚重視で、とらえどころの難しい『操体法』ですが、からだの仕組みをうまく使ったものです。
健康法にとどまらず、臨床に使えるもの 結果の出せる調整法を身に着けることが、この講習会の目的です。
セミナー全体のテーマは、「操体法の原理を探る。」です。



今回のテーマ(6/16)は、
「肩関節のバランスと上部胸椎のバランスの関係をさぐる」

肩関節のバランスと左右の肩甲骨の間の様子、上部胸椎の調整などを関連づけてみました。
肩関節の観察は、外旋内旋の動きに注目して調整してみました。


肩関節の動き、外旋内旋をきっかけにからだがどのように連動してその人のバランスを形作るか、
また、いろいろな症状を作り出すのかということを観察しながら操体法的に調整してみました。





外旋は、前側;鎖骨や肋骨前側は上がる動き 後側;肩甲骨や肋骨の後ろ側は下がる動き


内旋は、前側;鎖骨や肋骨前側は下がる動き 後側;肩甲骨や肋骨の後ろ側は上がる動き

ちなみに、この肩関節のバランスと関係ある肩甲間部上部胸椎椎骨T1~T6レベルは、
自律神経 交感神経 の上肢神経系支配とも重なっている話は座学でお話ししました。


上肢を支配する交感神経
電子教科書(慶應義塾大学医学部解剖学教室編)要約:慶應義塾大学解剖学教室 川村光毅

FIG. 11-6 より

以下は参加者の方の実技調整一例です。




主訴 右腰腰痛 腰椎4番外側が痛む
観察 座位
 左座骨重心
 左肩 内旋傾向 右肩外旋傾向
 胸椎12番 後方に凸 胸椎12番より下位の椎骨生理的湾曲が少なくストレート気味
 左胸椎5番脇 緊張(硬い)


                           画像使用フィギュア「合成人間 」

調整
 目標 右座骨に重心が乗せられるようにして、右腰痛の改善を目指す
 操法 左肩外旋位から内旋方向に動いてもらい、左胸椎5番脇の緊張に張力が出るよう調整>抵抗>脱力

解説
 胸椎12番が後方に凸で骨盤もやや後傾なので腰にストレスが入りやすく腰痛の原因にもなっているようです。
 力のある方なので、利き腕の右上肢のバランスも影響していそうです。
 肩の調整は利き腕の右を調整しても良いのですが、腰痛が右側でしたので、あえて左の肩からアプローチしてみました。

 左肩の内旋の動きを使って胸椎5番の緊張を視野に入れてコントロールしてみました。
 結果、右坐骨にも重心が のせられるようになり、右腰痛も軽減しました。

【次回告知】
治療室行うセミナー 操体法ワンデイセミナー(日曜開催)
1回ごとの申し込み、単発参加、連続参加 途中参加 可能です。
少人数制なので、お申込みはお早めに!

2019年7月21日(日)
13:00~16:00
次回テーマ
『背骨と肘から手首の連動をさぐる。』
交感神経の働きのなかで見落としがちな、四肢への働きに注目していきます。
運動器の観察と自律神経のバランスの相関を探っていきましょう。
今回参加された方は、お配りした資料をご持参ください。

くわしくは こちらのページをご覧ください。





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