2014/03/19

2014.3.19 前回の続き、操体法と均整法

操体法はどのようにして出来たのだろうか、
橋本敬三先生はどのように考えていたのであろうか
橋本先生はどのように進化していったのだろうか

私は自分なりの操体法を展開していくには
橋本先生の歩んだ道を知り
出来るだけ追体験することだと思ったんですね、

橋本敬三先生は西洋医学者でしたが東洋医学や
民間伝承医学を評価し自らも学ばれました。
特に運動系(骨格や筋肉など)の平衡バランスの重要性に
気づかれ高橋迪雄の「正体術」などにヒントを得て操体法として
ご自分の方法論を展開していったのです。

先生が活躍された時期(執筆活動は昭和12年(1937)頃〜
昭和58年(1983)頃)というのはヨガの沖正弘、
野口整体の野口晴哉 食養家の桜沢如一
野口体操の野口三千三などすぐれた
実践家たちが同時代的に活躍しお互いに交流影響しあった時期でした。

四国松山ご出身”均整法”の亀井進先生もそんな同時代に
活躍された施術家の一人で橋本先生とご縁があった方でした。

「私は全く今まで亀井先生の存在を知らずにいたのだ。ー略ー 
実演を見て驚いた。実に美事なものだ。というのは、
先生の運動系の理解は理論的に私と同じなのだが
歪みの観察が実に繊細で、その関連性をよく把握していることは
実に驚嘆に値する。

だから目の前で説明通り感覚異常や
機能の回復を実現してみせることができる。先生は
始めてから二十年というから、終戦後からであろうが、
技術は神業といってよい。

私が前から言っている通り、この運動系の特性というのは、
事実であって仮説ではないのだから、誰がやってもそのとおりになるのだ。

まず理論を理解してそれを応用してみなさいと薦めている。

秘密も秘伝もない。自然法則を理解して、それに乗せるだけで、
他力でも、自力誘導でも、どちらでもいいのだといっている。
亀井先生も同じことを言われる。ー略ー

 物療の各種手技は、それぞれなんでもいいのである。
運動系の歪みを正すことが物療の目標精神なのだ。
私は百万の味方を得た気がして愉快でたまらない。」

(「 医道の日本」26巻12号、昭和42年12月号)
正体の歪みを正す 橋本敬三論想集 創元社刊
395ページより


と亀井先生を紹介し、賞賛しています。橋本先生はその後
当時目黒区大橋にあった姿勢保健均整専門学校の
顧問も暫く務められたようでその後も交流はあったと思われます。

又先に引用した文献「正体の歪みを正す」 橋本敬三論想集
 創元社刊 246ページには
別の先生の執筆記事について以下のような編者注が書いてあります。
(時期は先の記事よりすこし前です。)

「以下の如く「運動系による診断と治療」は昭和39年3月号(23巻3号)から
昭和40年9月号(24巻9号)まで飛び石連載で九回に亘って
「医道の日本」誌に掲載された。

なお、最後のところを「以下、運動系の診断法と治療法の実技に及びたい」
と結んでいるが、実技の解説記事はついに執筆されなかったようである」

確かに操体法は全身のバランスを整えるものですから各論的な
”腰痛に効く操体法”的な解説はないかとおもうのですが
ご自身が書くといっていたのに書かれなかった裏には何か先生の
考えに変化があったからではないのでしょうか?

同書340ページ「人間悲願の達成へ」と題した執筆記事には以下のように
書かれています。

『3,生体(心身)は大自然が生んだ一つの機動する機関(システムオルガン)であり、
 設計と可能性にミスはなし。

 ー略ー

7,生命エネルギーの出入力のバランスのため、フィードバックを考える。

 ー略ー

10,フィードバックの満足すべき規準の情報を選択する中枢の要求を探る。

11,原始感覚の安定感、満足感に行きつく。つきつめると快、不快となる。

 ー略ー

13,運動を分析して、快のヴェクトルのフィードバックを行えばよいことが判った。』

(「日本医事新報」第2779号、昭和52年7月30日)

いわゆるラクなほう、気持ちよい方向に動く、快適感覚の追求という操体法の最大の特徴が
この時点ではっきり書かれるようになっています。

橋本先生は長く身体のことを追求なさり最終的にたどりついた結論がこれなのでしょう。

ただわたし自身としては、先に書いたように自分なりの操体法を展開していくには
橋本先生の思考の変遷をたどる上でも
出来るだけ追体験することだと思ったんですね、

そこで、快適感覚の追求をする大前提として、なぜか先生が書かれなかった
”運動系の診断法と治療法の実技”の習得はやはり必要だと思ったんです。

それで私は”歪みの観察が実に繊細で、その関連性をよく把握している”
と先生が評価した均整法を学んだのです。

学んだ結果気が付いた事として、それぞれの操法スタイルで似ている点が
いくつか見受けられたということです。
これはお互いのルーツとなる調整法が近いものだったからではないでしょうか?

どんな調整法でも全くのオリジナルなどあり得ないわけで
過去の先人達の知恵をそれぞれの感性でアレンジ発展したものですから、
この風土に培われた先人達の知恵の歴史がバックボーンとして
そこにあると思います。

自分の役目としては、受け継がれてきた知恵を学び、自然法則を知り
次世代へ引き継ぐ事なのかなと思っています。


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