2020/08/13
講習会

操体法オンラインセミナー姿勢分析アプリ使用レポートその2



新企画 操体法オンラインセミナー(zoom使用) 7/26(日)開催しました。

新型コロナウイルス感染症拡大の状況に対応して治療室での講習会はしばらく
お休みしておりましたが、オンラインでセミナーを再開しました。


制約の多いこの環境の中で
遠隔指導で運動器を使った調整がどのくらい実践、評価できるのか
姿勢分析アプリPostureScreenを用いて記録、評価をしてみました。



このアプリは、本来対面で画像を撮って姿勢分析するものですが、
zoom使用のパソコンの画面からの映像でもなんとか機能します。
正確性については疑問ですが、足首からの緑色の垂直線など指標を使うと
細かい変化もそれなりに観察、評価できます。


計測数値をどのように評価するのかは、まだ手探りですが行った動きに対する
客観的な評価、検証にすこしでも役立てたいと思っています。

全体テーマ<操体法の原理を探る。>
今回のテーマ<自動運動による調整の可能性を探る、セルフケア指導のスキルを上げる。>

・姿勢分析アプリPostureScreenを用いて 調整前後の姿勢評価(立位 前後左右)をより正確に行う。
・動きの観察、調整に東洋医学的アプローチを取り入れてみる。

実技>動作の中から胸鎖乳突筋と前脛骨筋の相関関係をさぐる。
実技テーマ<首周りのコンディションが前腕への刺激でどのように変化するか観察してみる>



<Bさんの場合>
症状 左胸鎖乳突筋緊張自覚症状>左肩緊張 左人迎緊張


姿勢チェック
・立位 右足軸足(右足に体重をかけやすい)
・前腕の筋肉緊張は利き腕の右側の方がある。>右手三里に圧痛がある。

既往歴
・右手指のばね指、右首痛

調整のプログラム
①はじめの姿勢チェック>姿勢分析アプリPostureScreen使用-1

②調整1>全身調整

③2回目の姿勢チェック>②調整1の評価 姿勢分析アプリPostureScreen使用-2

④調整2>実技テーマ<首周りのコンディションが前腕への刺激でどのように変化するか観察してみる>に対するアプローチ

⑤3回目の姿勢チェック>④調整2の評価 姿勢分析アプリPostureScreen使用-3

⑥全体を通した考察





①はじめの姿勢チェック>姿勢分析アプリPostureScreen使用-1



左ビュー、右ビュー(左肩が右肩より前に出ている)>上体右回旋>左胸鎖乳突筋の緊張の原因と解釈
上体のひねりを調整する組み立てを設計してみる。



②調整1>全身調整
調整方法
①仰臥位 操体法 膝倒しのバリエーション(腰椎5番、大腰筋、腰方形筋の調整目的)>全体調整で下地を作る。

⓶うつ伏せ 

・固定ポイント;首右向き>左胸鎖乳突筋固定目的
・操作ポイント;両膝屈曲位 左足首背屈位 大腿伸展>左足三里 入力目的

左胸鎖乳突筋の緊張を調整する目的に対して、同側の左足の操作を行った理由は、鍼灸の理論
を参考に症状と同側の前脛骨筋周囲のツボに刺激が入るように組み立ててみました。

 


③2回目の姿勢チェック>②調整1の評価 姿勢分析アプリPostureScreen使用-2


左ビュー、右ビュー(左肩と右肩の位置)>緑のライン(足首外果をとおる垂直線)
との位置がほぼ同じになる
しかし、
前方ビュー >緑のラインより上体が左より
後方ビュー>緑のラインより上体が右より

前後の上体バランスが逆転して左回旋になった。(肩の前後差が減って、脊柱レベルでの捻りなので、
動き自体がそれなりにコアなものだったと思われます。)
頸固定側と操作側を同側にしたことにより、目的の調整方向の動きの刺激(右回旋位>左回旋方向)が強すぎた。
操作側を右足で行えば、違う結果になったと予測されます。


④調整2>実技テーマ<首周りのコンディションが前腕への刺激でどのように変化するか観察してみる>に対するアプローチ


方法、
・固定ポイント>右手三里のあたりの圧痛点に「せんねん灸」を1壮すえる。
・操作、動作ポイント>合谷や魚際を左手でをツボ押しのように
押圧しながら、痛みの感覚が変化、軽減するような動きをしてみる。
(あくまでも小さい動きで大丈夫)


自覚症状は左胸鎖乳突筋緊張ですが、右手指のばね指や右首痛の既往歴などがそもそもある方なので
右手へのアプローチは有効だと判断しました。



⑤3回目の姿勢チェック>④調整2の評価 姿勢分析アプリPostureScreen使用-3



左ビュー、右ビュー>右手に入れた刺激の影響か、
右肩の位置が③2回目の姿勢チェックより
緑のライン(足首外果をとおる垂直線)に近づく

右手首の位置が緑のライン(足首外果をとおる垂直線)に近づく>前腕の緊張の緩和か?


前方ビュー、後方ビュー>
③2回目の姿勢チェックより左回旋状態が変化して、
緑のライン(左右の足首の中間を通る垂線)に姿勢が近づいている。


⑥全体を通した考察

首のバランスは単に運動器の影響だけでなく自律神経系の影響が強く出やすい部位です。

前腕の筋緊張を緩和することをきっかけに循環系の緊張がゆるむ>交感神経系のレベルを下げる>頸部の緊張がゆるむ>症状の違和感が軽減した。
こんなストーリーが働いたのではないかと推測できます。

右手への操作は、
ツボの位置に着目して操体法的動きを使った調整を試みました。
固定ポイント 操作、動作ポイントという二つのポイントを指定してツボ刺激のバリエーションとして操体法的に動きの調整として運用してみました。


鍼灸的な組み立てを応用するときは、左右、上下、前後など
症状と対応する遠隔の部位の選択は、動きを使う場合
また総合的判断が求められると思いました。

ただ、観察や組み立てが的確であれあば、かなり短時間、軽い刺激で
からだが変化することが予測されます。
動きとお灸という温熱刺激の併用はセルフケアを効果的に行う上では、今後も工夫していきたい方法だと思います。

姿勢分析アプリを使うと小さい変化も視覚化できるので、行った調整の客観的な評価がしやすくなると思います。
オンライン、遠隔指導、誘導で行った、簡単で優しい刺激の操体法でしたが、思いのほかからだが変化したのは驚きでした。

今回は、姿勢変位の数値データ評価には触れませんでした。
数値の評価の方法が、まだよくわからないというのが理由です。
遠隔での画像評価なので、正確性については低いと思いますが。
ランドマーク(外果や足首)からの垂線からの変位は比較的評価しやすいので
今後も利用していきたいと思います。

まだまだ、症例が少ないのでより臨床実数をふやしてセルフケアアドバイスの精度を
上げていきたいと思います。

参加者の方々には、実証、実験にご協力いただきまして
ありがとうございました!



今後のセミナーの予定   全体テーマ【操体法の原理を探る】

      基本操法に対して橋本敬三が込めたメッセージとは


操体法オンラインセミナー(zoom使用)開催 9/6(日)(日程変更しました。ご注意ください)
     ・姿勢分析アプリPostureScreenを用いて 調整前後の姿勢評価
                 (立位 前後左右)をより正確に行う。

     ・実技>動作の中から胸鎖乳突筋と前脛骨筋の相関関係をさぐる。