始める前に

始める前にイラスト

操体法(そうたいほう)は自分の感覚を指標にして行うからだの調整法です。
痛みや違和感のあることはやらないで、ラクなほう、気持ちの良い方向、快さを捜してからだを運んでいきます。

からだが元々持っている治す力、自然治癒力を最大限に引き出す方法なんですね、ただいきなり気持ちいい方に動いてと言われても戸惑われる方もいるのではないでしょうか︖

普段自分の感覚を観察する習慣がないとなかなか入り口が難しいかもしれませんね、でも大丈夫あなたの頭は判らなくとも、からだはちゃんと答えを知っています。

そこで操体法超初心者のあなた、いえもう操体法のファンだというあなたにも日常の習慣として組み込めるようひとりで出来る操体法の基本の型をお伝えします。

基本の型ですからもうこれ以上削れない核のようなスタイルです。
基本の型ですからここから無限に応用がききます。
型ですから最低限の決め事があります。
制約をつくることによってこの動きを行うことの目的、意味を探ってもらえたらと思います。
この先はどうぞご自由にご自分なりに感じ取って工夫してくださいね。

あなたの操体法の世界を広げるたたき台に使ってください。

始める前に

どこが辛いのか、自分が気になるところ、改善したいところをイメージ(想定)してやると、効果を出しやすいし、効果を確認しやすい、すると毎日の積み重ねでからだの変化が実感しやすい→面白い→やる気が出る→毎日やる→効果が持続するというよい循環ができます︕

いつやったらいいのか

いつやったらいいのかのイラスト

寝る前や朝起きる前に行うと効果的です。
出来ればからだがあまり沈まない固めのマットや床の上で行うといいでしょう。

前後で控えた方が良い事

入浴直前、直後の飲酒、刺激が消えてしまいやすいです。
生理中は大丈夫です。

基本編

1 仰向け、膝倒し

仰向け、膝倒しの写真

はじめの姿勢

仰向けに寝て膝を立てます。両足、両膝頭はくっつけます。両腕は胸の前に手のひらをおくか、横に広げます。

仰向け、膝倒しの写真

動いて観察

くっつけた膝頭がずれないように両膝をそろえて左右に倒して動きや感覚を観察します。

観察のコツ、ヒント

ゆっくり動いてみましょう、微妙な感覚の違いがわかりやすいですよ。
倒した膝と反対側に顔を向けてみましょう。
倒した膝と反対側の肩を床から出来るだけ浮かさないようにしてみましょう。

実際の操法

A
やりやすい方、動いてみたい方があったら、”つらいほうから、ラクなほう”に動いてみましょう。
B
ラクなほうに動いていっての観察でつらかったり、違和感のあったところに無理なく張力がでるところでしばらく(ゆっくりとした呼吸で約2呼吸持続)動きを止めて、その姿勢を維持します。
C
その姿勢で脱力します。
D
一呼吸間合いをとってからゆっくり元の位置に膝を戻します。

観察のコツ、ヒント

ゆっくり動いてみましょう。

確認してみましょう

もう一度左右に膝を倒して、動きや感覚の変化を観察してみましょう。

*はじめの観察で左右差が判らなかったら両側ともそのまま倒せるところまで倒して操法として動いてみましょう。

*倒しにくかった方が前よりやりやすくなっていたらそちらの側も動いておきましょう。

*チェックしてみると初めと違うところに違和感が出たり動きやすい方向が変わることがあります。そんなときは、新しい目安や違う方向で動いてみましょう。1回で決めることはありません。

2 仰向け、踵の突き出し

仰向け、膝倒しの写真

はじめの姿勢

仰向けに寝て、足を腰幅に広げて伸ばします。
腕も上の方に広げて伸ばします。

動いて観察

左右片方ずつ踵をつきだし動きや感覚を観察します。 
腕は伸ばしている踵と同じ側又は反対側を伸ばしてみて、やりやすい方向や組み合わせを捜してみましょう。

観察のコツ、ヒント

ゆっくり動いてみましょう、微妙な感覚の違いがわかりやすいですよ。
踵をつきだすときアキレス腱や膝の裏をしっかり引き延ばすようにして観察してみましょう。
足首と同じようにてくびも反らして気持ちよく伸ばせる方向を捜してみましょう。

実際の操法

A
踵と腕の伸ばしやすい組み合わせ、方向で動いてみましょう。
B
ラクなほうに動いていっての観察でつらかったり、違和感のあったところに無理なく張力がでるところでしばらく動きを止めて、その姿勢を維持します。
C
その姿勢で脱力します。
D
一呼吸間合いをとってからゆっくり元の位置に膝を戻します。

観察のコツ、ヒント

ゆっくり動いてみましょう。

確認してみましょう

もう一度左右に膝を倒して、動きや感覚の変化を観察してみましょう。

*はじめの観察で左右差が判らなかったら両側ともそのまま倒せるところまで倒して操法として動いてみましょう。

*倒しにくかった方が前よりやりやすくなっていたらそちらの側も動いておきましょう。

3 うつ伏せ(膝を曲げて脇へ引き上げる動き)

仰向け、膝倒しの写真

はじめの姿勢

うつ伏せに寝て顔はまっすぐ下を向き、額の下に両手の平を重ねておきます。

動いて観察

左右片方ずつ膝を曲げ股関節を外に開き、膝を脇の下に引き上げて動きや感覚を観察します。

観察のコツ、ヒント

ゆっくり動いてみましょう、微妙な感覚の違いがわかりやすいですよ。 首は下向きがやりにくかったら向きやすい方へ向けてください。
(手の位置もそれに応じて置き換えて構いません)
この型は腰椎が前に反りやすいですから背中を丸くするように動いてみてください。
(お腹の下に枕など入れてやると動きやすいかもしれません)
うつぶせは長くやっていると首や胸が苦しくなる場合がありますから無理をせずやってくださいね

仰向け、膝倒しの写真

実際の操法

A
膝を引き上げやすい側で動いてみましょう。
B
ラクなほうに動いていって2、の観察でつらかったり、違和感のあったところに無理なく張力がでるところでしばらく動きを止めて、その姿勢を維持します。
C
その姿勢で脱力します。
D
一呼吸間合いをとってからゆっくり元の位置に膝を戻します。

観察のコツ、ヒント

ゆっくりと動いてみましょう、引き上げる側の足首を反らすと上げやすいですよ。
伸ばしている側の足首も反らして足指で床を蹴るような形にすると支えが作りやすいですよ。

確認してみましょう

もう一度左右の膝を引き上げてみて、動きや感覚の変化を観察してみましょう。

*はじめの観察で左右差が判らなかったら両側ともやってみましょう。

*引き上げにくい方が前よりやりやすくなっていたらそちらの側も動いておきましょう。

*チェックしてみると初めと違うところに違和感が出たり動きやすい方向が変わることがあります。そんなときは、新しい目安や違う方向で動いてみましょう。1回で決めることはありません。

バリエーション編

1 壁てっぽうバリエーション

元力士、一ノ矢さんが書かれた「”テッポウ”トレーニングでみるみる健康になる」(実業の日本社刊)からすこしアレンジして操体風調整法を考えてみました。壁テッポウの応用です。
壁に両手をついて肘が伸びきらない位置に両足をそろえて立ちます。
(足先の方向は45°位を目安に無理のない範囲で)
右足を半歩前にだし
両手を壁に当てます。
右ひざを少し曲げてからだの重心を少し前に移します。
足の裏全体に重さがのるのを感じてください。
膝をまげながら、小指側に意識をして、脇を閉めるようにして壁を軽く押します。このとき肩甲骨をつかって押すのがポイントです。(背中は後ろに開き、手は前に押すのでからだは前後に伸びるような動きになります。)

右足を元の位置にもどし、今度は左足前で同じような要領でやる。

point1

膝が足先より前に出ない程度に曲げます。(ピンク︓ダメな例

point2

足先の方向と太ももの方向は並行に。(ピンク︓ダメな例)(青︓正解)

この調整法について

この、調整法の一番のテーマは立位でのひざ位置、足の重心の置き方を感じながら自分の立ち位置を確認することです。

抗重力筋である肩甲骨周囲、背中側が使えるようになると、疲れにくい、長時間の仕事や運動に耐えられる、からだ使いができるようになります。
腕の場合は、肘を伸ばす側の動きが出来るようになると、肩や首に無理な力が入りにくくなります。
そして、片足を前に出した姿勢は、歩行や走りという動作につながるかたちですよね。そういう意味でもこの調整法は一見地味ですが、ここからからだ使いの工夫やヒントがいろいろ出てくると思います。

日常で当たり前にやっている姿勢や動作ですが、わたしたちは、癖があったり曖昧にやりすごしていて、もっといいからだ使いが出来るのに気が付かず、見ずごしているだけでなく、結果、疲れたり具合が悪くなったりしているのですね。
再度からだのポジショニングや動きを確認、イメージしたりすることで大脳皮質などに確かな刺激をあたえて自分が向かうべき方向、指標、運動回路をちゃんとつくることが出来てくるのです。

そして、ここが一番のコツですが、壁を押すという行為を目的意識としてしっかり持って押し続けてください。
当たり前のことですが、『動作』というものは本来目的があるものです。水を飲みたいからコップに手を伸ばす、遅刻しそうだから駅まで走る等など。
その目的をより効率的に行うために脳は『動作』をプログラムするのです。
からだの仕組みをうまく利用してより効果のでる調整をやっていきましょうね︕

ところで、このかたちどこかで見たことがありませんか︖
そう、操体法のうつ伏せでやるカエル足ですよね。操体法の基本操法はやっはり、奥が深いですね~
立ってできるので、日中、オフィスの片隅などでちょこっとやればそんなに怪しまれずにできるかもしれません︕

セルフケアのアイテムの一つに是非加えてみてくださいね

2 膝抱え

*「腹直筋離解(ふくちょっきんりかい)」という言葉を聞いたことがありますか︖腹直筋が左右に引き伸ばされこ中央の白線の部分が開いてしまうことです。
妊娠によりお腹が大きく引き伸ばされることによっておこることが多い症状です。
出産後、自然に回復するといわれていますが、多く場合ある程度開いたままになり、自覚症状も特にないので気が付かれていない方も多くいると思われます。
(実は、わたしも確認したら、指1本半位離れていました、、、)

[腹直筋離解」チェックの仕方

(仰向けで臍を覗き込むような姿勢で腹筋を少し緊張させた状態で観察します。)

①臍の上縁から3センチ上 2センチ左右外2点に指を当てて正中に戻していく。

②臍の下縁から3センチ下 2センチ左右外2点に指を当てて正中に戻していく。

*押し当てた指の間が2横指以上開いていたら腹直筋離解傾向にある。

腹直筋

腹直筋は腹横筋などその他の腹筋の付着部にもなっているので腹直筋離解は腰痛、内臓下垂などの原因になりうるので、ケアが必要と言えます。ただ原因が、筋力の弱さだけでなく、腹筋と背筋のバランスの大きな崩れで起こる場合もあるようです。つまり、妊娠経験が有るなしに関わらず、どのような年齢層男女関係なく起こりうる症状というわけです。一度離解したものは、元の状態に戻るには時間がかかりますが大事なのはバランスの改善、腰痛などの症状の軽減です。ですから根気よくからだを観察してケアすることが大切ですね。セルフケアのヒントとして、腰のポジションを高くした、動きの少ない膝倒しをお勧めします。コツは、呼吸を使って動きは小さく調整ポイントを意識して行うことです。試してみてくださいね︕

①骨盤の下に枕をひく(骨盤高位)

②膝を抱えて両膝をつけたまま足先を開く。(股関節は内旋)

③恥骨結合を閉じるようなイメージで、膝を前上方に突き出す。
(この時、左右の腹直筋を白線に向かって閉じるようなイメージでやるといいですよ)

④背中を丸めて枕に骨盤を押し付ける。

⑤膝を左右に少し傾け落ち着くところで、静かな呼吸を数回行ってからゆっくり脱力する。

腹直筋イラスト

この調整法について

上級編 『膝抱え、ウインターバージョン』 エクソサイズとしてやってみましょう︕
さて、調整法としてご紹介しましたが、余裕のある方はここからすこしトレーニングとかエクソサイズの意味合いも加えて行ってみてはどうでしょう︖トレーニングですから少し負荷をかけましょう。 
どうやって︖

お布団の中でやるんです︕冬の季節などは寒いでしょ︖朝なかなか抜け出せないでしょ、そこを逆手にとるのです。お布団を足先(足裏指の付け根)などで押し上げしばらく維持して、手は膝から外さないようにゆっくり力を抜きます。これをゆっくり、10回位、やるとからだがポカポカしてきますよ。
お布団位触れている指先などにリアルな感触が加わって動きに目的意識が付きやすいです。
イメージは大きな風船の中に自分がいて、それを中から押し広げる感じです。これって、お母さんの子宮の中にいる胎児のイメージなんですよ。
出来れば頭を床から浮かしてお臍を覗き込むようにすると完璧です。結構力がいりますが、きつい方は最初から枕を肩甲骨くらいからあてて高めにすると気持ちいいですよ。腹直筋を左右から白線に向かって閉じるとオートマチックに骨盤底筋群もまとまると思います。
(というか腹直筋を閉じて骨盤底筋を緩めることは逆に難しい、、)
お布団のなかでぬくぬく、でもばっちりコンディショニングだけでなくトレーニングも出来ちゃう、名付けて、『膝抱え、ウ インターバージョン』です。
ぜひお試しください︕

Wikipediaより レオナルド・ダ・ヴィンチ
「子宮内の胎児が描かれた手稿」1510年頃、ロイヤル・コレクション(ウィンザー城)

3 「腰割り」アレンジ

以前ご紹介した、お相撲さんのトレーニング「てっぽう」とともにお勧めなのが、「腰割り」ですが、それに呼吸を加えて、内臓を引き揚げて、自律神経系の調整にも有効な操体法バリエーション、セルフケアのヒントをご紹介します。

このような人におすすめ。

*腰が反っているのに猫背

*冷え性

*お腹の調子が安定しない

*疲れやすい

*むくみやすい

*いつも眠い

*立った姿勢で膝の後ろが反り気味

*腰が反っているのに猫背

ひとつでも当てはまる人は、是非試してみてください。

始める前に

立った姿勢

腰幅より少し広めに足を広げて立つやや膝を曲げて膝の少し上に手を置く

ポイント

手は脇を締め気味、肩をあげないように太ももの方向と足先の方向は平行膝が開きすぎても、閉じすぎてもダメ

1

息を吐きながらお腹を凹ませる
(お臍を背中に近づける)

2

臍をみぞおちに引き上げるようにさらに息を吐く
(内臓が横隔膜のほうに引き上がり、背中の反っているところが丸く後ろに張り出す感じ)

3

2の状態をしばらく維持したあとお腹の力を緩めて自然な呼吸に戻す

4

2と3を1クールとして、2~3回繰り返す。

5

終わって立ち上がる前に一旦膝をもう少し曲げて腰を沈める。

6

後ろに引けている骨盤の位置を足元の真上に戻しつつゆっくりと立ち上がる。
こつ(骨盤を前に軽くスイングするようにする。膝は伸ばしきらない。)

この調整法について

6の立った姿勢の真っ直ぐ感、膝のバランス感覚を大事にしてください。
そうすれば、自然な偏りのない姿勢を保つことが出来、そこからしなやかな動きを作り出すことが出来るようになります。
セルフケアは毎日続けてほしいものです。
1日5分でもトイレの後にでも仕事の合間にも出来るこの「腰割り」アレンジはとっても優れものですよ︕ 

参考文献
『お相撲さんの“腰割り”トレーニングに隠されたすごい秘密』
元・一ノ矢 (著)実業之日本社

4『オトガイ』を使った、首周囲の調整法
(座った姿勢)

長時間のパソコン作業や、車の運転。仕事やお付き合いでの緊張。
現代人は肩周囲より上のほうにストレスの多くをため込みやすい傾向にあります。

操体法はからだ全体を観察しながら調整していくという考え方ですが、こんなにストレスが上がってしまう状況の中では、首周りに特化した調整法を知っておいたほうがよいですよね︕

そこで、あごの先端『オトガイ』にコンタクトした操体法バリエーション、セルフケアのヒントをご紹介します。

期待できる効果
頸椎バランスの調整
椎骨、前側の靭帯の調整

このような人におすすめ。

*首の調子が思わしくない。

*肩の調子がよくない。

*肩甲骨の周りがこりやすい。

*目が疲れる

*呼吸が浅い。

*頭の後ろが重たい感じ。

ひとつでも当てはまる人は、是非試してみてください。

1

首を前後に動かして、緊張しやすい方向や場所を特定する。

2

いったん緊張や違和感の出る方向に首を向けておく。

3

親指で『オトガイ』に触れながら楽な方向にゆっくり動く。

4

軽く『オトガイ』を押す。首の違和感のあるポイントに圧がつながる、方向に首の位置を微調整する。

5

無理なく首に刺激が届いていることを確認したら、そのポジションをしばらく維持して、ゆっくり脱力、静かな呼吸でしばらく様子を見る。

調整のこつ

始める前に、首の位置を微調整しておきましょう。
鳩の首をイメージしてください。
ポッポー♪
顎を前から少し後ろに引いた位置からスタートしましょう。

指の形はfacebookの「いいね︕」の形で親指を『オトガイ』に当ててみてはどうでしょう︖

座っている場合、恥骨やみぞおちの感覚にも気持ちを向けてみましょう。
かすかな動きや、方向のなかでからだがつながっている様子が見えてきませんか︖

鳩のイラスト

いいねのイラスト

『オトガイ』とはどこだかわかりますか︖
下あごの先端ですが、調べてみると不思議なところなんです。

オトガイは人だけ

 「オトガイ (chin) はヒトにしかない。家畜だけでなく、同じ霊長類の仲間でも類人猿やサルにオトガイはない。ヒトでもネアンデルタール人など、旧人にはオトガイがないか、あっても痕跡的である。すなわち、オトガイは現在地球上に繁栄しているヒト(Homo sapiens)になって初めて現れた形質で、歯の退化に伴い下顎骨の歯槽が萎縮して後退し、歯槽を含まない前下端部の退化が遅れて取り残されたものである。

 現在の人類でも、歯の退化が最も進行して小さい歯をもつ白人種でオトガイが最も発達して突出し、歯の大きい黒人種で突出度が低く、黄色人種はその中間を占める。」

(養賢堂 加藤嘉太郎著 家畜比較解剖図説(上) 189p)
北里大学 獣医生理HP ヨネザワ支部

そんな、進化の歴史の先端『オトガイ』に軽く触れながら、首周りにとどまらず、センターの居心地のよいバランスを探してみましょう︕

5 さらしを使った『膝抱え』

オトガイは人だけ

 ・背中の緊張を調整

 ・無理なく腹筋を使える

セルフケアで難しいのは、調整のゴールの設定やまとまり感を出すことだと思います。 

からだには、自分と他者との関わりのなかから
無意識の身体感覚を使いバランスを調整する仕組みがあると思います。

例えば、混んだ電車の中での立ち位置とか、武術だったらわかりやすく相手との間合いや、コンタクトの取り方もその例でしょうか、操体法を使った治療室での調整もこの仕組みを利用していると考えられます。

他者とは、人でなくとも物でも当てはまります。
台所での包丁さばき、畑仕事の鍬の使い方、ほうきの使い方、カバンの持ち方、そうそう椅子の座り方やパソコンのマウスの持ち方もきっとそうですよね。

そのような、バランスとは良いとか悪いとかではなく、瞬間反射的に無理のない効率の良い状態をからだは判断するのでしょう。 具合が悪くなるということは、癖や状況が変則的でからだに負担が入ってしまった状態をいうのでしょうね。
道具を使った調整やセルフケアは、その間違ったからだの判断プログラムを修正するようなイメージです。

1

骨盤の下にクッションやタオルなどをひいておく。
さらしの真ん中を骨盤の下になるようにセッテイング。

*治療室では、1反(約10メートル)のサラシを1/4 または1/3に切って使っています。

2

仰向けの姿勢で、両ひざを抱えるように足を上げる。
出来たら、空気が少し抜けた状態の小さめのバランスボールを ふくらはぎの内側で挟む。

3

サラシの左右の両端を膝のところで交差させて端をつかむ。
つかみ方は、*図1,2 を参照(薬指で引き込むように)
膝は斜め上、天井方向に伸ばす、イメージ
骨盤の後ろはクッションに押し付けるイメージ

4

しばらく、その状態をキープして脱力。

ポイント

力を入れすぎない、呼吸を止めない。のんびり、ゆっくりと試してみてくださいね︕

*図01、さらし握り方

*図02、さらし握り方

【参考図書】

アレルギー性鼻炎は輪ゴム1本でよくなる
田川 直樹 (著) リンダパブリッシャーズ (企画、編集) 

新装改訂版 ヒモ一本のカラダ革命 健康体を手に入れる!
ヒモトレ
小関 勲 (著) 日貿出版社(発行)
田川先生の本は、自律神経のバランスを調整するために輪ゴムを使っています。
小関先生の本はヒモを使って、頑張りすぎない無意識のバランスを探るというものです。

さらしを使った操体法はこの2冊の本がヒントになっています。
さらし、輪ゴム、ヒモトレの紐の共通点は ”輪と強すぎない皮膚への接触圧”です。

無意識のからだのバランスシステムにスイッチを入れる道具を上手に使ってみましょうね︕