2015年 前期 操体法講習会(臨床家向け)12回シリーズ4日目2/26(木)行いました。
今期のテーマは、
『操体法 動きと自律神経バランスの関連を探る』
『内臓のバランス 観察と調整』です。
併せて、骨盤、椎骨の触診理論もお伝えしていきます。
今回は、一般向けの講習会の記事でも触れましたが、左右の下肢の動きを『ふみこみ系』と『引きこみ系』に分類して、各自のからだのタイプ、傾向を把握して
コントロールすることを体験してみました。
操体法は動きを使った調整法ですが、動きの方向性を分類すると、
3次元に想定したお互いに直交する3本の軸の周りを回転運動する、側屈、前後屈、回旋がまず考えられます。
その他に、外力との関係性の中から生まれる、圧迫と牽引の2つの方向が考えられます。
この、圧迫と牽引は外力との関係から生じるものなので、セルフケアの場合作り出すのが難しい方向です。
そしてまた、この圧迫と牽引による刺激がからだに効果的な変化を起しやすい方向なんです。
運動療法的な調整、治療とは実はほとんど、この方向のバリエーションといっても過言ではないと思っています。
で、実際のからだの動きとしてはどのような形で圧迫と牽引は検出できるのかといったら、『ふみこみ系』と『引きこみ系』をチェックすればいいのです。
どうやって?
すごく簡単なことです。
仰向けの場合、膝を立てて、片方の足の足首を背屈(爪先を上げる)させて、どちらが上げやすいが比較すれば、いいのです。
足先が上げやすい方が、『引きこみ系』上げにくい方、すなわち踏みこみやすい方が『ふみこみ系』です。
このパターンが診断できると、ずいぶん調整の組み立てが作りやすくなります。
また、この流れは内臓の方にもどのように刺激を送り出したらいいのかの予測も立てやすくなります。
なおかつ、実際調整する場合、ほとんど操体法の基本的な操法があてはまるという奇跡のような、解説が成り立つのです!
例えば、膝倒しを例にとると、
3つの基本操法(膝倒し、踵伸ばし、カエル足)を3つの軸の運動調整として行うときは、膝がしらを付けた膝倒しを行うよう説明してきましたが、
写真①参照 『操体法写真解説集』 たにぐち書店; 復刻版 より
内臓にまで影響を与えることを目的としたら
膝がしらは、やや離し気味に行うといいと思います。内転筋の伸展(牽引)が鼠蹊部を経由して、腹膜、間膜系統に動きを伝えていくのです。
写真②参照 『操体法写真解説集』 たにぐち書店; 復刻版 より
気持よさを強調していくにしたがって、動きが緩やかに流れていく、崩れていきやすいのは、からだの深部、内臓に動きや刺激が広がりやすいからなのだと思います。
ただ、この時も調整のターゲット、刺激を入れたい臓器、調整のゴールは設定しておきたいものです。
なぜなら、感覚だけを頼りに進んでいくと、納めどころが見つからず、糸の切れた凧状態になってしまう恐れがあるからです。
当たり前のことですが、ゴールは設定して、調整を行う。
意外と大事なポイントです。
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