馬との付き合い方からのヒント
乗らない、乗る以前のワーク グランドワークからの学び
いつもお世話になっている牧場でやった馬のグランドワークの動画をご紹介します。
動画解説
この子は、斜体歩(左前-右後、右前-左後と対角線に結ばれた2本の肢がそれぞれ1組ずつ地面に着いたり、離れたりする歩法)で動いてますが
足が高く上がらない足の動きになるように気を付けています。
手元は無口の喉元を持っていますが、結果的には鼻骨のところ無口が当たっているところにテンションがいくようにコントロールしてます。馬の場合鼻先 首のバランスが全体の動きのポイント 基準のようです。腕からの圧が骨 背中 軸を通す感じでコンタクトしています。圧はかけ続けているわけではなく、動いてくれたら抜いてます。
正面から対峙して両眼でこちらを見つめている関心がこちらに集中している 意識が繋がっている 関係性をしっかり作るよう気を付けています。
情報を発信しているヒト側の身体操作も重要なのはいうまでもありません。
馬を含めた全体の状況に目を配らせ、耳を澄ます、まさに五感を駆使した判断が大事なんです。
お尻に寄ってくるハエにもしっかり気を配るという感じです。気が散るとせっかく作った関係性が途切れてしまします。
風にそよぐ木の葉の擦れる音もしかり、茂みから急に飛び立つ白い水鳥なんかもうとびきりびっくりしたりしますからね
こんな感じのグランドワークですが、
ここで目指している課題はどんなものかというと、
反射によらない変化をつくる びっくりさせたり力ずくでの反応に頼らない。
からだに考えさせる 持続的な静かな圧で皮膚やファッシアへのアプローチ
最終的には こちらが手を放しても しばらく静かに動かない(静止)した状態をつくることです。
動かないことに集中する関係性をつくることです。
そして、その課題がクリアできた後は、緊張を解いて開放してあげることも大事です。オンとオフのメリハリでしょうか。
ただ従属させるわけではなく、大きな動物ですから安全に良好な関係を作るために大事なワークなんですね。
さて、治療室のブログで馬のことを長々と書きましたが、どうですか?
セルフケアのために自分のからだの仕組みや動きに関心がある方、もしあなたがセラピストや手技療法家でしたら気になる施術家としての身体操作のチェックポイントなどがいくつかあったのではないでしょうか?
自分を見つめるとき相対化するとき 自分でない他者が物でなくヒトでなく違う動物(動くもの)それもそこそこ大きい動物であるというのは、常に新しい発見と刺激に満ちていると思っています。