2018/08/13
講習会

2015.8.14 操体法講習会(臨床家向け)後期12回シリーズ3日目8/13(木)行いました。

感覚重視で、とらえどころの難しい『操体法』ですが、からだの仕組みをうまく使ったものです。
健康法にとどまらず、臨床に使えるもの 結果の出せる調整法を身に着けることが、この講習会の目的です。
そこで、毎回全体のテーマを設けています。

今期のテーマは、
操体法 動きと自律神経バランスの関連を探る』
『内臓のバランス観察と調整』
*膜構造と経絡、動きの関連をさぐる。
併せて、骨盤、椎骨の触診理論もお伝えしていきます。


操体法は基本操法各論ということで、うつ伏せで行う『かえる足』をお伝えしました。
操法を行う前に、うつ伏せ位での『骨盤触診理論』をお伝えして、実際お互いに組んだ相手の方向性を探りました。
ここで、お伝えする触診理論はカイロプラクティックの基本理論に準じたものをお伝えしています。

関節部にごく軽い圧を加えて(他動的)、関節の性状、可動性を探り評価します。
ただ、ここで注意したいのが、他動的な可動性、方向性の評価と、見た目の方向性(姿勢)を同一のものと混同せず区別するということです。

具体的な例えとしては、寛骨の前傾可動性を検査してた結果、可動性が少なかった場合、評価は寛骨後傾となりますが、それが必ず実際の姿勢としても後傾しているとは限らないということです。
見た目前傾でも他動的圧を加えて動きが固い場合は当然あります。

言葉で書けば、当然と思われるかも知れませんが、臨床現場でからだを観察しているとき、限られた情報で様々なことを予測しなくてはいけない状況の中で冒しやすい混同です。
ヒトは、過去の経験をもとに勝手にイメージを作り上げてしまうものです。動きが固ければ当然姿勢もそちらに傾くはずだと。

過去の体験から予測して認識のパターン化を行ない、それが固定概念となってしまい
他の視点を作りにくい、理解しにくい、気が付きにくい、思考回路が出来てしまうものです。

操体法の場合、それに自動運動のチェックがはいり、なおかつ抵抗に対しての反動の変化も評価しなくてはならないので余計作業は煩雑になります。
そのうえ、気まぐれな、感覚まで聞き出すわけですから、最初に出来るだけ客観的な検査評価、診断は持ち合わせていた方が良いに決まっていますよね。

シビアで繊細な検査、触診手順、是非慣れていきましょう!

また、骨盤観察では前回発生学で触れた、尾部の特徴的な様子を思い出しながら実際にお互いの仙骨、尾骨部分を観察しましたが、
改めて、尾部の発生学的特徴を書き出しておきますね。
このことは、案外他の文献では触れられていないところですが、大変重要なことだと思っています。



ラーセン人体発生学 第4版 西村書店より
*尾部の神経管の形成がメインの神経管とまったく起源が違うことに注目!



前回(8/7記事)内容引用

今回は、受精から数えて第3週後半、発生20日目頃から第4週以降第6週目あたりまでのお話をしました。

ここでは、尾部での器官形成の過程が大変特徴的です。
原始線条の形成が原腸形成の始まりですが、原腸形成進行とともに、原始線条は消失していきます。
しかし20日目ごろ原始線条の残りが膨らみ、尾部の正中で尾芽(尾部隆起)となります。

ここから体の尾部の構造がほとんど形成されるそうです。
尾部の神経管(中枢神経系)神経堤細胞(末梢神経系)及び体節(筋、骨格)が尾芽から作られます。
つまり、尾部以外は原始線条から3胚葉が出来て器官原基が形成されるのに対して、尾部は胚葉形成をせず直接的に器官原基を形成するのです。

なんだか尻尾は別の生き物のような進行じゃありませんか?不思議ですね!

そして第4週以降中枢神経系の原基である神経管が形成されます。
その背側から発生する細胞集団が神経堤細胞です。
神経堤細胞は大変特徴的で、神経管を離れてからだの特定の場所に移動していき、様々な組織に分化していきます。基本的には末梢神経系
自律神経系の原基となっていくのですが、顔面頭部では真皮、平滑筋、歯の象牙芽細胞、鼻、顔、中耳の軟骨、脊髄の髄膜のうち軟膜とクモ膜にまで分化していくそうです。

そして腸管神経系形成課程での神経堤細胞の腸管への進入経路がたいへん重要です。
一つは迷走神経域の神経堤細胞は食道から直腸まで消化管全域の壁に移動していきます。(頭方から尾方の進行)
同様に先に触れた尾部(腰仙域)の神経堤細胞も消化管壁に移動していきます。(尾方から頭方の進行)
つまり、消化管下部は迷走神経域と腰仙域の神経堤細胞の二重の起源をもつ細胞が宿っているということなんです。

最近よく免疫学や栄養学の分野で脳と腸の関係が取りざたされることが多いですが、尻尾(腰仙部)についてもうすこし研究が進んでくれると興味深い発見がありそうですね。


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